Beranda / 恋愛 / お嬢!トゥルーラブ♡スリップ / 【第1部】 第40話 大切な親友①

Share

【第1部】 第40話 大切な親友①

last update Terakhir Diperbarui: 2025-08-06 07:01:00

「はあー、疲れる」

 青空の下、それに似つかわしくない言葉を吐いた私を、貴子が怪訝そうな顔で覗き込んでくる。

「ね、あんたたち、変じゃない?」

 昼休み。

 いつものように貴子と二人、屋上でランチタイム。

 私はお弁当を広げたが食べる気になれず、もう一度お弁当の蓋を閉めると重いため息を吐いた。

「貴子にも、わかるよね?」

 疲れ切った私は、横目で貴子を見つめる。すると、彼女は深く頷き返してきた。

「うん。ヘンリーがあんたに近付いて来ないなんて、異常事態よ。

 それに、なんだかシャーロットとベタベタしちゃってさ……いったいどうしたの?」

 興味津々という様子で、貴子は目を丸くして私に顔を近づけてくる。

 頬を膨らませた私は、ギロッと貴子を睨みつけた。

「知らないよっ! こっちが聞きたい!

 今朝から、ヘンリーが私にだけ冷たいの。……昨日までは、いつも通りだったのにさ」

 激しい怒りを滲ませながら顔を伏せた私は、その勢いのまま貴子に事情を説明していく。

 観覧車では、お互い想いを伝え合い、愛を誓い合ったこと。

 昨日まで普通だったのに、今朝からいきなりヘンリーの態度が“私にだけ”冷たくなったこと。

 ここぞとばかりに、私は溜まっていた鬱憤をぶちまけた。

 真剣に耳を傾けていた貴子が、納得したように頷いている。

「ふーん、なるほどねえ。ヘンリーには、何か考えがあるのかも」

「考え? どんな?」

「それは、流華が考えないと駄目だよ」

「何よ、ケチ」

 貴子は何かに気づいたようだったが、それを私には教えてくれなかった。

 確かにヘンリーのあからさまな態度の変化には、違和感を感じる。

 何かあるのかもしれない。

 しばらくの沈黙のあと、貴子が口を開いた。

「ねえ、ちょっと聞きたいんだけどさ……流華は龍さんのこと、どう思ってるの?」

 探るような瞳を向けながら、おかしなことを聞いてくる貴子。

 私は少々不思議に思いなが
Lanjutkan membaca buku ini secara gratis
Pindai kode untuk mengunduh Aplikasi
Bab Terkunci
Komen (1)
goodnovel comment avatar
憮然野郎
貴子、二人の関係が気になって気になって仕方ないんでしょうね...
LIHAT SEMUA KOMENTAR

Bab terbaru

  • お嬢!トゥルーラブ♡スリップ   【第2部】 第29話 龍のお見合い①

     やっぱりダメ、気になってしかたない! ついに我慢できなくなった私は、とうとう奥座敷へと向かった。  足音を忍ばせながら、そろりそろりと近づいていく。 でも、あまりに近づきすぎると気づかれそうで……。 奥座敷から少し離れた廊下の曲がり角。  その陰に身をひそめ、そっと耳を澄ます。 小さな声しか聞こえないけれど、内容はどうにか拾える。 私はその場に落ち着き、静かに息を殺した。 「果歩さんは、あの真司さんの妹だそうですね」 龍の声だ。 声だけで胸がときめいてしまい、そんな自分にあきれる。「ええ……それが何か、問題でも?」 果歩さんの声。 声まで可愛らしい。  まるでそのまんま、見た目通りって感じ。「いえ」 龍の返事のあと、少しの沈黙が訪れる。「……あの、私のこと覚えておられませんか?」 果歩さんの声が、どこか期待に満ちている。「はあ……どこかでお会いしましたか?」「ええ。以前、男性に絡まれていたとき、助けていただきました」 なるほど。  そのとき龍に惚れた、ということか。 ……わかるけど。 龍は強いし、颯爽と相手を蹴散らす姿は、きっと格好良かったんだろうな。 戦う龍の姿が脳裏をよぎった。 しばしの沈黙。  どうやら龍が思い出そうと考え込んでいるらしい。「……そんなことも、あったかな? すみません、覚えてなくて」 龍の言葉に、果歩さんはショックを受けたのか、また静かになった。「いえ、いいんです。  私が勝手に、あなたのことを忘れられないだけですから……。  あのときの龍さん、すごく素敵で目が離せませんでした。  強くて、優しくて……こんな方に、人生の伴侶になってもらえたらって」 えっ!?  私は驚いて思わず手で口を押さえた。 たった一度会っただ

  • お嬢!トゥルーラブ♡スリップ   【第2部】 第28話 落ち着かない②

     ど、どうしよう! 私は咄嗟に隠れようと一歩を踏み出す。  が、何かに足を取られ、そのまま思い切りすっ転んだ。 よりにもよって――みんなの目の前で。 盛大なこけっぷりに、皆の動きが止まる。「いたた……っ」 膝をさすりながら、そっと顔を上げる。 皆の視線が、じっと私に注がれていた。 や、やっちゃった……!  よりにもよって、こんなときに! 顔から火が出そうなくらい恥ずかしくて、その場から動けなくなる。「大丈夫ですか!? お嬢っ」 龍が慌てて駆け寄り、手を差し出してくれる。「あ、うん、平気平気。ごめん、ごめん」 私は慌てて立ち上がるけど、恥ずかしさでまともに顔を上げられない。 まさに穴があったら入りたい、とはこのことだ。 そのとき、祖父の傍らに立っていた女性と目が合った。  お人形のように可愛らしい女の子だ。 艶やかな着物がとても似合っていて、私は自然と目を奪われた。 淡い桃色に花が散りばめられた生地。  さらりとした長い黒髪に、ぱっちりとした瞳。  長いまつげがその大きな目を際立たせていて、整った鼻に、小さな口元。  唇には、ほんのりとピンクのグロスが光っている。 ……可愛い。 思わず見惚れてしまう。 この人が、相川果歩さん――。「お嬢、気をつけてくださいね。本当にそそっかしいんですから」 龍は苦笑しながらも、その瞳は愛おしげに私を見つめている。  私は恥ずかしさに顔を赤らめたまま、何も言えずに笑い返した。「ささ、果歩さん、こちらへどうぞ」 祖父が果歩さんを奥座敷へ案内していく。 すれ違いざま、果歩さんはずっと私のことを見つめたままだった。  その瞬間、ふわっと甘い香りが鼻先をかすめる。 ……女の子らしい、可愛い香り。 彼女によく似合っている。 私はただ、その

  • お嬢!トゥルーラブ♡スリップ   【第2部】 第28話 落ち着かない①

     それから数日が経ち……。 まあ、なんてお見合い日和なんでしょう。 縁側に佇んだ私は、雲一つない青空をにらみつけた。  日差しは暖かく、ぽかぽかとあたたかい。 今日は、龍のお見合いが行われる日。 どうせなら、曇ったり雨でも降ってくれた方が少しは気分も晴れただろうに。 私が大きくため息をついた、そのとき――。 ピンポーン、と玄関のチャイムが鳴った。  その音を聞いた瞬間、私は勢いよく玄関の方をにらむ。 来た!「では行きますが、ご心配なく」 スーツ姿の龍がネクタイを直しながら、私の方へ近づいてくる。  そして、そっと顔を覗き込み、優しく微笑んだ。 ……なんだか、ドキドキする。  いつもと違う龍。 大人の雰囲気が漂っていて、ダークグレーのスーツがとてもよく似合っている。  白いシャツに、深みのあるボルドーのネクタイが映える。 龍は何を着ても似合うけど、スーツを着ると大人の色気が増す。 私は思わず見惚れてしまい、固まった。 格好よすぎて、緊張するじゃない……!「お嬢……どうされました?」 龍が不思議そうに首を傾げる。「ううん、何でもない」 慌てて首を振り、気持ちを落ち着ける。  でも今度は、違う感情が湧いてきてしまう。 ――嫉妬だ。 こんなに格好いい姿を、他の女に見せるなんて、嫌だ。 けど、お見合いなんだからしょうがないよね。  我慢だ、我慢。 ……そう思ってみても、あふれる思いは止められなかった。 私はふくれっ面のまま、龍に思い切り抱きついた。 はじめは戸惑っていた龍も、しばらくすると私の頭を優しく撫でてくれる。  なんだかほっとして、余計に愛しさが溢れだしてきた。 龍を離したくなくて、私はさらにぎゅっと彼を抱きしめた。 わずかな時間、私たちは黙ったまま熱い抱擁を交わした。

  • お嬢!トゥルーラブ♡スリップ   【第2部】 第27話 今度は、龍!?②

    「龍、頼む。わしの親友の頼みを聞いてやりたいんじゃ。  一目だけでいい、会ってやってくれんか?」 龍と祖父の視線が交わる。 ……やばい、これは雲行きが怪しくなってきた。 私は焦って龍に声をかけようとした。「ねえ、龍――」 けれど、その言葉は途中で止まった。 だって、私を見た龍の表情がすべてを物語っていたから。 ごめんなさい、と。「お嬢、申し訳ありません。  一度だけ許してくれませんか? 会うだけですから」「龍……」 切なそうに見つめる龍を見ていたら、もう何も言えなくなった。 今回は、彼の優しさが仇になってしまった。 ていうか、この展開……前に私がやった、反対バージョンじゃない!  なんで、またこんなことになってんの? 一人でモヤモヤと悩む私に、龍が微笑みかけてくる。 大丈夫、とでも言いたげに頷くと、彼は祖父に向き直った。「……わかりました。一度会うだけです。すぐにお断りしますから」「ほんとか!? ありがとう、龍。恩にきるぞ!」 祖父は嬉しそうに軽く飛び跳ねると、その場でいそいそと電話をかけはじめる。  きっと相川さんに報告するのだろう。 ……本当に調子がいいんだから。 祖父をじとっと睨みながら、頬を膨らませた。 私に続いて龍まで……なんでこうなるの? 肩を落とし落ち込んでいると、龍がそっと私の耳元に顔を寄せてきた。「お嬢、本当に申し訳ありません。あなたには辛い思いをさせてしまうことに……」 悲しそうに眉を下げる龍。  彼もかなり意気消沈しているみたいだ。 そうだよね、龍だって辛い……。  龍は優しいから、おじいちゃんのことを想ってくれたんだよね。 私はそんな彼を励まそうと、懸命に笑顔を作った。「大丈夫、私、平気だよ。  龍だって、相川さんのこと耐えてくれたんだもん。私も耐えてみせる」

  • お嬢!トゥルーラブ♡スリップ   【第2部】 第27話 今度は、龍!?①

     無事に一波乱去った、と思いきや、また波乱の予感。 それはまた、祖父が連れてやってきた。 いつも通り夕食を食べ終えた私は、一息ついてお茶を飲んでいた。「龍、今度はお前にお見合いじゃ」 机を挟んで座る祖父が、にこりと微笑み、そう告げた。 居間に一瞬、凍りつくような静寂が流れる。  そして次の瞬間、私の叫び声が響き渡った。「ど、どういうことよ!」 いきなり告げられた衝撃のセリフに、頭が真っ白になったが、すぐに正常に戻る。 私は勢いよく祖父に詰め寄ろうとした。 しかし、祖父は私の行動を先読みしていたのか、するりとかわして龍の前へと移動する。  口をぽかんと開けたままの龍の前に立ち、祖父は胸を張って堂々たる眼差しを向けた。 どうだ、と言わんばかりに。 しまった! ちっ、先読みされたか……。 私は祖父を睨んだ。 そのとき、ようやく我に返った龍が、慌てて声を上げる。「い、いったい、どういうことですかっ?」 龍は祖父の威圧感に押されつつも、怯むことなく真剣な眼差しを返している。  祖父はにやりと微笑んだあと、すぐに悩ましい顔つきになった。「うーん、せっかく二人が仲直りしたばかりだから、今回は断ろうかとも思ったんじゃが……。  どうやら、お相手が龍をえらく気に入っておるみたいでな」 腕を組み、考え込むような素振りを見せる。 ……どうせ格好だけだろうけど。「理解しかねるのですが、なぜ私がお見合いを? 私にはお嬢がいるのですよ?」 龍の表情と口調に、少し鋭さが混じる。「うん、わかっとる。しかしなあ……言いにくいんじゃが、また相川さんなんじゃよ」 あっさりと衝撃発言を繰り出しながら、祖父はくったくのない笑顔を浮かべた。  私と龍は、思わず祖父を凝視する。「相川さんって……あの相川さん!?」「そう、その相川さんじゃ」

  • お嬢!トゥルーラブ♡スリップ   【第2部】 第26話 通じた想い②

     夕日が辺りを優しく染めている。  風が吹くたび、ほんのり赤く色づいた木々たちが、さわさわと静かな音を立てた。    柔らかな光に目を細めながら、私は縁側に腰を下ろす。 すぐ隣に、龍の気配がする。  彼は私から少しだけ距離を空け、そっと腰を下ろした。「……」 「……」 しばらく、ふたりとも黙り込んでしまう。 静かな時間が流れ、家の前を通るバイクの音が、妙に大きく耳に届いた。「……夕日が、綺麗ですね」 やっと絞り出された龍の第一声が、それだった。 龍は気まずそうに下を向く。 絶対、私がまだ怒っていると思ってる……。「ねえ、龍」「は、はい!」 私が呼ぶと、龍はびくりと肩を揺らし慌ててこちらを見る。  視線がぶつかると、その瞳がゆらゆらと揺れ、不安と緊張が伝わってきた。 そんな彼の気持ちに寄り添うように、ほんのり微笑む。「私、怒ってないよ」「……え?」 龍は目を瞬かせ、ぽかんとした顔をする。 ほらね、やっぱり怒ってるって思ってた。「だって、私のせいだもん。  私の態度が、龍を不安にさせたんだよ。だから……あんなふうに」 その瞬間、あの日のことが蘇り、顔が熱くなる。「な、何をおっしゃるんですか! 悪いのは、私です!」 龍が勢いよく首を振り、顔を真っ赤にして叫んだ。「本当に申し訳ありませんでした……お嬢に、あんなこと……!」 そのまま、またうつむいてしまう龍。 ……気まずい。  また沈黙だ。 私は、ふうっと小さく息を吐き、口を開いた。「あのさ、私、別に嫌じゃなかったよ」「えっ!!?」 龍がぎょっとした顔で私を見る。 目を剥いて、焦って。顔がみるみる赤くなっていく。「そ、それは……どういう、意味でしょうか?」

Bab Lainnya
Jelajahi dan baca novel bagus secara gratis
Akses gratis ke berbagai novel bagus di aplikasi GoodNovel. Unduh buku yang kamu suka dan baca di mana saja & kapan saja.
Baca buku gratis di Aplikasi
Pindai kode untuk membaca di Aplikasi
DMCA.com Protection Status